意味が分かると面白い話31
弥平の願い
昔あるところに、弥平という若い男がいた。
弥平は口が聞けないわけでもないが、女と話すのが苦手で、それが理由で嫁もいなかった。
ある日、弥平は川の傍で天女の羽衣を発見した。
すると美しい天女が現れた。
天女「それは私の羽衣です。返してください」
弥平は天女を見たまま、固まってしまった。
しばらく、弥平が固まっていると
天女「羽衣を返してくれれば、願い事を一つ叶えてあげましょう」
弥平は頷くと、羽衣を天女に渡した。
天女「さあ、願い事を言ってください」
しかし、待てど暮らせど弥平は口を開かない。
1日待ったところで、天女はとうとう痺れを切らした。
天女「一度、天に帰ります。1年後また来ますので、その時に願い事を聞きましょう」
と言って天女は帰ってしまった。
1年後、約束通り、天女はやって来た。
しかし、1日経っても弥平は願い事を言わない。
天女「また1年後来ます」
と言って帰って行った。
結局、天女は弥平が死ぬまで毎年来ていた。
村人によると、弥平は天女に会って以来、とても幸せそうだったという。
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